2019年9月30日月曜日

息子のエプロン/人生の光と闇

一昨日作成しまじめた息子用品。
完成しました。
保育園用の、エプロンと手拭きです。
今回は多めにストック。


幸せボケして暮らしている私は、
プロポーズを切っ掛けに15年前に別れた彼とメールをした。

ボケてるから、ふと軽い気持ちで過去の人と連絡を取る時がある。
辞めとけばいいのに「あの人、幸せになってるかも!」なんて思う。

でももう辞める。

いつも忘れてしまうのだけど、
過去の私は生きているだけで息切れしていた人だった。

幸せボケになった私が思い付きでとる過去との触れ合い。
それに毎回私は突然首根っこを掴まれ、
「あ!」っと思った時には、暗闇の記憶の入り口に立つはめになる。

闇の中から芋づる式に出てくる記憶に触れて良い事は無い。

もう、過去の人はみんな死んだと思う事にしようと思う。
反省の意味を込めて、今回出てきてしまった記憶を書き留めます。


借金だらけだった彼は、まじめで一生懸命な性格。
けど、極度のさみしがり屋で現実逃避する癖があった。

お金の事であまりにしんどいと、
パチンコをしたりして、現実逃避。

そして、現実逃避で得たお金は、
あぶく銭として飲みに行って使っちゃう。

親がすごくお金を持っている人で、親の会社で働いていた。
だから、いざとなったら親をと言う気持ちがあったのかもしれない。

一人ぼっちのさみしさを感じるとキャバクラ。
身近な場所に友達が居ないから、そんな方法しか思いつかなかったそうだ。

私と出会ったのも、キャバクラがきっかけだった。
そして、彼の親は、お金の事を頼る前に亡くなった。

彼の親は現金を生み出す事が得意だったようだが、
貯蓄はなく、二束三文の不動産やらなんやらが大量に残っていた。
それに借金も多かったので、彼の家族は遺産放棄の手続きをした。

彼のお姉さんいわく、一度いろいろ整理して
もうひと花咲かせるつもりで準備していた矢先のことだったらしい。

彼の親が亡くなった当時、私はスナックで水商売をしていて、
借金の取り立ての電話がやまない家に長時間居た。

そんな中、彼はある日私に「僕はもうお金借りられない。」
「だから、君がどこかでお金を借りて来てくれないか。」と言った。

私は「一緒に借金を返していくことは出来ても、
私個人が借金を背負う気はない。」と断った。

そして私は自己破産して逃げたいという彼を説得し、
財務整理の手続きの方法を調べ、書類を用意し、借金の整理を促した。

家賃も滞っていたし、電気ガス水道などのライフラインも、
止まったり、再開したりといった生活。

取り立ての電話や、ポストにたまる一方の封筒。
それらから現実逃避して逃げ回る彼に私はイライラいしていた。

そんな時、近所の家の取り壊しがあり、
住んでいるアパートにネズミやゴキブリが大量に出るようになった。

そして数日後、私が飼っていた手乗りインコは、
私の外出中にネズミに食われて死んでいた。

ある日彼は、肺の病気を患い入院した。

医者の説明では肺気胸と言う病気ですぐ治るとの事だったが、
彼はひどい喘息持ちだったので半日後に容態が急変した。

20時間近い緊急手術の末、医者は「ここ2~3日がヤマです。」と言った。

「会わせたい方がいらっしゃいましたら、ご連絡を。」と言われ、
慌てて彼の家族・親族、思いつく限りの友人に連絡をとった。

病院へ駆けつけてくれた人達は、薬で意識を無くし、
喉を切開して人工呼吸器につながれた彼を見て呆然とした。

彼の早すぎる死を目の前にした人々は、
「どうして、なぜもっと早く気がついて・・・。」と
行き場の無い怒りのようなモノを私にぶつけ、私を責めた。

幸いにな事に、それから1週間後。
彼は一命を取り留めた。

意識を取り戻した彼は、私の話を聞いて、私のために元気になりたいと言った。

だが、心が潰れた私の生活は、
人間らしい生活を送る気持ちも失い、
食事も取ったり取らなかったりするようになった。

こうして間もなく、住んでいたアパートはゴミ屋敷と化した。

彼は、会社の勤務先の移動があり、バスで1時間ほどの距離にある寮に入った。
そして休みのときだけ家に来たが、私が彼の寮へ行くことは無かった。

ゴミ屋敷の中で出口の無い暗闇のような毎日を過ごす私は、
徐々に心がすさみ、壊れ、おかしくなっていた。

気がつけば、パソコンだけが唯一の自己現実の場で、
ネットゲームにハマり込んで寝る間を惜しんでログインした。

そのとき彼は何を思っていたのか分からないが、
休日のたびに家に来て、ただ酒を飲んで日々の事を語り、
眠らない私の横で眠るだけの日々を過ごしていた。

それから2~3年、私たちが彼の借金をほとんど返し終わる頃、
私はネットゲームの世界が本当の世界に感じていた。

帰る場所は、自宅と言う玄関の先にあるゲームの中。
「ただいま」と言うと、仲間は24時間誰か居て暖かく迎えてくれた。

ゲームをしたままの、ゲーム内の「危険」な場所で寝落ちても、
私の仲間は私が起きるまで交代で番をし、見守ってくれていた。

「危ないから!心配だから!」と、ゲームの中で叱られる。
「ごめんー、ありがとう」とゲームの中で照れくさく笑う。

朝になり、私は仲間に「お風呂」と言い席を離れる。
お風呂に入り、服を着替えて、「行ってきます」とゲームの中で言う。

外出する時、仕事に行く時、ログアウトする時、
必ず私は「みんなごめんね」って口にする。

それを聞いて、仲間はみんな口々に「リアル大事に」と言う。

ゲームよりリアルが大事?

ゲームをするために生きている。
お金を得るためにやむなく働いている。

1日、24時間、パソコンをつけっぱなしで生活する。
ゲームの中の人間関係が私のすべて。

リアルなんて要らない。
リアルをログアウトしたい。

今、自分がリアルに居ると思うと、息を吸う事さえ苦痛に感じる。
ボタンひとつでログアウト出来るなら、存在が消せるなら。

ゲームばかりで退化した私の脳は、
自殺の仕方さえ分からなくさせていた。

そんなある日、休日で帰宅していた彼が言った。

「君ももう30歳だし、男として責任を取って結婚したいと思っている。」
「借金を返す目途も付いたし、この家を出て僕の住んでいる寮に来なよ。」
「結婚しよう?」

現実に居場所を無くし、ゲームの世界に現実逃避した私。
口を開けばゲームの話で、現実に対して一切の興味を失っていた私。

そんな私を一気に現実へと引きもどしたプロポーズ。

10代後半から10年以上一緒に居た人と、
このまま一緒にいたらダメな気がすると本気で思った瞬間。

彼の事は今も嫌いじゃない。
借金で大変だったという事実以外は、悪く言う理由もない。

でも、心がひしゃげて潰れた当時の私と、責任を理由に結婚する彼じゃ、
どうあがいても幸せになれないと、私は今でも思う。

けど、昔より少し大人になった私は、
彼は彼なりに幸せになろうとしていたのかも?とも思う。

まぁ、当時の私は「冗談じゃない!」と怒ってて、
彼の話なんか聞きやしなかったから、知る由もないのだけど。

その後の彼は、婚活に精を出し、結婚し、収入も得、子供も生まれ、家を建てた。
けど、職場で裏切られ、肺を悪化させ、身体障害者になり、もう長くないそうだ。

彼は「君と別れた後の生活は後悔してない。子供は可愛いし。」と言ってた。
「けれど、君と居たころが人生で一番楽しかった」と最後に言った。

知らなくていい事って沢山ある。

おしまい。
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